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■ご本家の仏たち

薬師如来 やくしにょらい

 本籍  「薬師如来本願経」他   現住所  東方浄瑠璃世界   続柄  東方浄瑠璃世界の教主
 愛称  お薬師さん   専門  除病延寿、眼病平癒



オンコロコロ…ってなぁに?


薬師寺に行くとよく耳にする言葉「オンコロコロ センダリ マトゥギ ソワカ」。お経にしては語感がぜんぜん違うし、これは何なのかしら… と思っていたら、これはお薬師さんの「真言(しんごん)」というものでした。
「ナムミョウホウレンゲーキョウ」とか「ナムアミダブツ」とかいうお題目やお念仏と同じように、お薬師様を念ずるときに唱える文句です。

昔の人は、お医者さまや薬がすぐ間に合わなかったので、病気にかかったり、あるいは急の痛みのときに、古くから口伝えに聞いてきた「オンコロコロ」と唱えて、とにも角にも仏様にお願いしました。


薬師如来ってどんな仏さま?

お薬師様は、その名のとおり病を治していただける仏様として、昔から信仰をあつめてきました。現代と違って、昔はお医者さまや薬は身近にあるものではありませんでしたから、病にかかるということは死ぬということに直接かかわってくる大変なことだったのです。そんなとき、病を治そうという願をもった仏さまがあらわれたとしたら、人々はどんなに心強く思ったことでしょう。

仏教が日本に伝えられたときはお釈迦様の仏像が伝えられましたが、すぐあとに、この薬師さまの信仰が盛んになっていったのはうなずけます。


奈良時代に大ブーム

天武天皇が即位9年(681)に皇后の病気平癒のために薬師寺建立を発願して、持統天皇967年に完成したのが、いまの奈良薬師寺の前身ですが、奈良時代初期からお薬師さまの像が作られ、現存している代表的なものでも、法輪寺、興福寺の仏頭、法隆寺金堂はじめ、薬師寺の薬師三尊はもちろんのこと、奈良の諸大寺(元興寺、大安寺、西大寺、興福寺、唐招提寺)にも安置されているように、お薬師さまの信仰が急激にひろまりました。

さらに天台密教の流布とともにこの薬師信仰は全国的に広まり、村々には薬師堂が建てられました。

比叡山延暦寺は、平安、鎌倉時代においては仏教の中心地であると同時に文化の中心でした。その延暦寺の中心である根本中堂のご本尊にまつられているのが薬師如来ですから、その影響がいかに大きかったかがわかります。

時代の信仰の流れとしては、お薬師さまから阿弥陀信仰へと大きく移り変わっていくのですが、しかし現世の目の前の苦しみである病を救ってくださるお薬師さまに対する信頼は根強く、どんな意味だかわからないまま、おまじないとして「オンコロコロ…」と口から口へと伝えられました。

一方で来世の往生を願いながら、また一方では現世の利益をはかってくれる仏様を祈るという、日本人の心の底に流れている実利主義的な一面がここにのぞいているともいえるでしょう。


薬師如来を見分けるポイントは?

印相は、お釈迦様とおなじ「施無畏・与願印」をしていますが、左手に薬壺を持っておられるのがお薬師さまの特徴です。

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